ホモサピエンス日誌。

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マレーシア渡航78日目:「ヤバい政治」のヤバさを説明できないヤバい自分

お久しぶりです。毎度おなじみかとけいです。

 

また更新が10日ほど滞ってしまいました。

最近はといえば、ルームメイトの誕生日会を家で開いたり、トビタテ生や同じ山の上大学の先輩方と交流したり、今日はユネスコ世界遺産にも登録されているマラッカに留学生のプログラムで行ってきました。

 

ルームメイトの誕生日会で驚いたのが、そのパーティの規模。多くても10人くらいかなと思っていたんですが、蓋を開けたらまさかの20数人の人たちが部屋にひしめき合っていました笑 

日本の誕生日パーティは本当に身内というか、かなり親密な人しか呼ばないイメージが僕の中ではあったのですが、こちらは「友達の友達まで呼んでいいよ」という感覚らしいです。

友達の友達同士初対面で気まずいような気もするのですが、「友達の友達も一度会ったらもう友達」らしいです。笑 人見知りの激しい僕はなかなかそんな風にはいかないんですが、ここマレーシアで暮らしていく以上、もっと社交性がないとダメだなと最近かなり感じています。もちろん前に書いたように何事も焦りは禁物ですが、徐々に徐々に自分のペースでですが。笑

 

マラヤ大学以外の人との交流はほんとに新鮮で、改めて自分が何をしにマレーシアにきていて、これからどうするのかを考える上でとても意義のあるものに感じました。(すごい陳腐な書き方になってしまいましたが笑)まだまだ留学生活も長いですが、この先も見据えて、今できることをしっかりやらなければと思わされました。

 

 

さてさて、そんな自分の近況はさておき、ここ最近はなんといっても「アメリカ大統領選」の話題で持ち切りでした。あまり新聞や報道を読んだりしない自分でもこの数日はいろいろネット記事や動画で情報を得たりしていました。振り返ってみると、自分の知識のなさというか、政治的なことにアンテナを張っていない自分が情けないです。結局SNSなどでみんなが大騒ぎしているのを見て、急いで自分もネット検索に勤しむという「野次馬」みたいなものなので。笑

 

ただ、ここマレーシアでこういった出来事に遭遇できる自分も(不謹慎かもしれませんが)ちょっとラッキーだなと思ったりもします。身近にいる留学生のリアクションが知れたり、「君はトランプが大統領になったことにどう思う」なんて聞かれたりすることも最近は結構あります。というわけで、今日は真面目にマレーシアにいて思う「政治のこと、政治を勉強すること」について書こうと思います。

 

※以下、クソ真面目な文章が続きます。ご注意ください。

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メディアの情報を信じることの危うさ

今授業で「外交政策分析」という授業をとっている関係もあり、国際政治の歴史や今の世界情勢について少しずつ理解を深めていて(ああ、書いていて情けない笑)勉強すればするほど政治を理解することの難しさを実感しています。

SNSなどが発達した現代でどうしてもそのメディアがまことしやかに流す情報を信じてしまい、それを拡散してしまいがちですが、一度その情報に疑いの目を向けてみることが大切であること、とか。

 

今回のトランプの件で言えば、ほとんどのテレビ、新聞メディアが民主党クリントンが勝つだろう、と予想していたのにも関わらず、まさかのトランプ勝利でメディアに対する不信感が高まりました。またトランプ支持層についてメディアは「白人のブルーカラー労働者」であり、低賃金、低学歴の人たちが大半である、と報道していましたが、選挙結果では「高所得の人ほど、トランプを支持していた」ということがわかりました。

 

実際、自分もクリントン寄りのメディアの流す情報から何となく「クリントンが勝つんだろうな、クリントンに勝ってほしいな」なんて思わされていました。今回の一件でメディアの情報を思考停止に受け入れてしまうことの危うさを思い知らされた気がします。

 

トランプのヤバい政治を説明できないヤバい自分

もう一つ思ったのは「トランプが勝った。これはヤバい」と思う自分がいる一方で、何が「ヤバい」のか説明できないのはもっと”ヤバい”ということ。「ヤバいよ、ヤバいよ、でも何がヤバいかわからないよ。とりあえずみんなヤバいっていてるから、ヤバいよ」と自分の頭の中はこんな感じになっていたのですが、冷静になって考えてみたときにこの感情の波に呑まれて、「なんでトランプなんだ。トランプはヤバい、とにかくヤバい」から話がまったく進まないのもヤバいなと。何がどうヤバいのか知らないと、と思いました。

ネットで検索すればそこら中に今回の選挙戦の解説が出ていますが、さきほど「情報の信憑性」について書いたように、「へえーそうなんだ経済がヤバいんだ」と他者から得た情報を鵜吞みにするのも、”ヤバい”気がしてきました。じゃあどうしたらその”ヤバさ”を正確にとらえられるか、という点で、結局自分の頭で考えるしかないんだなと。

 

もちろんまだまだ勉強不足過ぎて自分の頭で正確に考えれるレベルにありませんが・・・。ただ近い将来「君はどう思うんだ?」と言われたときに「なんか経済とか移民とかヤバいって聞いたし、そうなんだと思う」ではなくて、「こんな報道がされてるけど、○○のことを考えたら自分としてはこう思う」と考えれるようになりたいなあと。その点で、政治を「政治学」として学問として学ぶことも単なる教養にとどまらず、収集した情報を体系づけて、結論を出していくために必要不可欠だと思います。

政治学に限らず、文系の学問は「すぐに役に立たない」「理論ばかりで、実践的じゃない」なんて揶揄されるけど、ネットや文献から得た情報から「答えのない問題」についての答えを自分で導き出していく中で、文系の学問は考え方を養えるんじゃないかなと最近思ったりします。だから文系の学問は「すぐに役立たないけれど、後からじわじわ効いてくる」タイプのものじゃないかなと思います。

 

今回のトランプの一件で自分も含め、多くの人が底知れぬ「ヤバさ」を感じたのは事実だと思います。実際SNSの中で政治がらみのことでこれほどまでに話題になったのは前代未聞ではないでしょうか。どうヤバいのかをわからないこともヤバいですが、ヤバいかどうかもわからないのはもっとヤバい。「ヤバい」と思うことが政治について知るきっかけになるんじゃないかなと。

 

今回トランプが移民や経済政策、ジェンダーの問題などについて物議をかもし、(そのパフォーマンスの良し悪しは抜きとして)、その各々の「ヤバさ」をその根底にある問題について世界中の人々に知らしめました。しかもその歯に衣着せぬ発言にも拘わらず大統領になったということでアメリカ社会の闇、ヤバさについても垣間見ることができました。SNSなどですぐに情報が受け取れる時代、これらのヤバさが当選後の暴動も含めあっという間に広がり、より多くの人が「政治」に興味を持つ、持たざるをえなくなった、という点でトランプの貢献するところは大きいのかなあと思います。

 

 

かとけい