ホモサピエンス日誌。

ホモサピエンスの中のホモサピエンスに告ぐ。

MENU

給料が全く働くモチベーションにならない話。

「明日が給料日」が全く嬉しくない。というか何も感じない。

f:id:kato-KL:20200830000700p:plain

…また今回も挑戦的なタイトルで始めてしまったが、わたしが常々感じていることをここで告白したい。お金がモチベーションにならない。

 

入社してからずっと「自分が働く上でのモチベーション」ってなんだろう?と考えてきたて、最近おぼろげながらその答えが見つかってきたように思う。わたしにとってモチベーションになりえるのは①知識欲 ②達成欲 ③自己承認欲 の3つで、金銭的欲求は残念ながら皆無だ。

 

なぜお金が働くモチベーションにならないか

「お金があっても買うものがないからではないか…?」

「なんだかお金がモチベーションって卑しい感じがするから、清貧思想を自分のモットーにしている節があるのではないか…?」

と考えてみたけど、どうやらそうではないらしい。別にお金を持つことに罪悪感はないし、買いたいものがないわけでもない。(他の人より物欲が少ないとは思うが…)
ただ、私にとってお金は働くモチベーションにはなりえない。

 

よく「昇進したら給料がもっと増えるよ~」とか「いい車を買えるよ~」と言われても全然ピンとこない。むしろそれをめがけて仕事すると、自分の仕事のプロセスを楽しめなくなってしまうのではないかとすら思うときがある。自分の仕事時間を金銭に換算する頭でいると、目の前の仕事そのものに集中できないどころか、その仕事での対価が自分に見合わない、と不満すら覚えるようになり、仕事が全く楽しくなくなるのではないか、と思う。

 

確かに、お金で何かいいモノを買うと一時的にはとても幸せな気持ちになれるし、お金の価値がモノとして実体化して初めてお金の価値を感じるときもある。ただ、わたしにとってそれは一瞬の快楽にしかすぎず、チャンレンジングな仕事、自分の想像力が生かされるようなクリエイティブな仕事をしたときに感じる"歓喜"にはかなわない。

 

f:id:kato-KL:20200830000802p:plain

ーぼくは幸福という言葉は大嫌いだ。ぼくはその代わりに”歓喜”という言葉を使う。危険なこと、辛いこと、つまり死と対面し対決するときに人間は燃えあがる。それは生きがいであり、そのときわきおこるのがしあわせではなく、”歓喜”なんだ― 岡本太郎『自分の中に毒を持て』

 

わたしは仕事するのが苦ではないからこそ、こんな風に思うのかもしれない。わたしにとってもし仕事が苦行なら、確かに仕事はお金を稼ぐための手段になると思うし、全くそれがおかしなことだとは思わない。

 

馬の鼻先にニンジン。では頑張れない。

ただ、わたしにとって「お金のために頑張る」はいわば「馬の鼻先にニンジン」に等しく、走ること自体が楽しいはずの馬が、生きるための食料としてのえさを求めて必死に走るようなものだ。私の場合、別にエサを置かれてもなんとも思わないので、エサを置く側からするとちょっと拍子抜けするかもしれないが、そういう人もいるのだということをわかってほしいなと少し思うときがある。

 

わたしにとっては「チャレンジングな仕事」「何か新しい知的な発見がある仕事」「何か自分の想像力を生かしてモノを生み出せる仕事」が一番の仕事のモチベーションだ。

 

一人で考えるプロセスが楽しいし、仕事仲間と協力して一つのものを作り上げるプロセスも楽しい。最終的に自分たちが考えたアイデア・思いが一つの形になり、お客さんや上司の手にわたって、その人をハッピーにさせられたら、もうそれ以上何も言うことはない。誰の役に立たない仕事なんてないけれど、それでも自分がその人の役に立てたことが肌感覚でわかる、手触り感のある仕事はより一層やりがいを感じる。

 

逆に言えば、自分にとって何も新しい発見がなく、誰をハッピーにさせているわかからないような類の仕事は、どんなにお金をもらってもやりたくないし、もし会社で上に上がることがそういう類の仕事もこなさなくてはいけない、ということなら、わたしは喜んでその会社を辞めたい。

 

誤解してほしくないのは、わたしはお金のために働くことが悪だとは思っていない。働く理由は人それぞれで、そこに多様性はあってしかるべきだと思う。ただ、せっかく1日の多くの時間を仕事に使うなら、少しでも楽しめる仕事に就いたほうが働くプロセスも、その対価として得られるお金にも満足できるはずなのではないかと思う。せっかく働くのであれば、自分も一緒に働く人もその働くプロセスを楽しみたいし、「楽しもう」と思うマインドの人と仕事ができると、より一層楽しい。

 

仕事は終わりのない、RPGゲームだ。

仕事は私にとってある種の「RPGゲーム」だ。色んな才能を持った人たちとパーティーを組んで、スキルを磨いて、レベルアップしながら、道中で色んな敵に遭遇しながら、クエストを達成していく。このゲームにはクリアはなくて、絶えず新しい人たちと出会い、パーティーを組みなおし、また次のクエストを達成するための準備を進める。

 

最初っから所持金MAXで能力値MAXなゲームなんてクソゲーだし、そんなチートだらけのゲームはやる価値がない。むしろ限られたお金と能力値の中で、とてつもない強敵を倒すためにレベルアップしていくプロセスこそ二ゲームの面白みがある。目の前のクソゲーに思えるような雑用も、大きな目で見たら、もっと大きな敵を倒すためのルーチンワークなのかもしれない。敵を倒している最中に「今いくら所持金が増えているか」なんて気にするプレイヤーなんていないだろうし、全員が敵を倒すことに夢中になっているから連帯感が生まれて、敵を倒したときの達成感も一段と大きなものになる。

 

会社の中で、自分が勇者なのか、賢者なのか、はたまた魔法使いなのか、自分のロールはまだ固まり切ってはいないし、まだまだ大きな敵は倒せないけれど、だからこそ毎日のクエストでレベルアップしていきたいし、パーティに少しでも貢献できるような成果を残していきたい。さてさて、来週からもガンバロウ。