ホモサピエンス日誌。

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マレーシア留学 総括③ 辛い時こそ。

毎度おなじみマレーシアからかとけいです。

今回は前回のエントリーとうってかわって、留学中に感じた(というか今も感じるときもある)苦しかったり辛かったことなど内面的なことを書きたいと思います。

 

 

 

弱くて、脆い自分をさらけ出してみる。

ブログの最初のほうにも何度も書いていますが、「留学の苦しい部分、辛い部分」というのはなかなかみんな語りたがらない部分だと思います。ただ僕は同じ立場の留学生に対して何かブログを通して伝えられるものがあればいいな、「辛いのは自分だけじゃない、頑張ろう」という思いになってもらえばいいなと思って文章を書いてきました。

 

もちろん文章を書くことで、自分の中で気持ちを整理したかったというのももちろんあります。ぶっちゃけ僕はメンタルが豆腐並みにもろいし、そういった弱い部分をさらけ出すのにも抵抗がありましたが、もし自分と同じように何か心に不安が付きまとっている人の気持ちが代弁できればなんて(とんだお節介ですが)気持ちもありました。

 

何か新しいことにチャレンジするときには必ず不安がつきものです。もちろんそうした不安にも負けず、ガンガン前に進んでいける人はかっこいいし、尊敬しかありません。

 

ただ僕はそんな「強い人間」ではありませんでした。何か挑戦しようとする度に「いやでもやっぱりな・・・」なんてブレーキがかかってしまうし、そのくせ自分より意欲的に頑張っている人には嫉妬します。笑 

 

留学の中でそんな自分に対してずっと嫌悪感に近い感情すら抱きました。「自分に自信がないからこんなことばかり考えるんだ」と。弱くて脆くてこのどうしようもないメンタルをどうにかできないか。この留学を通してずっとそんな弱い自分と向き合ってきた気がします。

 

今回はその総集編として、メンタル激弱人間の留学体験談をシェアしていこうと思います。

 

 

気合い十分で乗り込んだマレーシア。だけど・・・

思い返せばもう9カ月前。「絶対マレーシアでやることをやって、そんでもって英語力もつけて成長してかえってくる!」と意気揚々と乗り出したマレーシア留学でしたが、そんな勢いも最初の1カ月で完全に挫かれました。

 

相手の言っていることはわからないし、自分の言いたいことも通じない・・・。

授業に参加してもどれもこれも難しそうな授業ばかりで、何も発言できずに座っているだけという日も何日も続きました・・・。

おまけにマラヤ大学の留学生係の人に「もう一回日本に帰れ!」なんて言われるし。

 

僕は前期セメスターはフィリピンからの留学生4人と一緒にルームシェアをしていたのですが、もちろん会話は全て英語・・・。相手の言っていることがわからなくて、何回も聞き返すのも相手に悪いかな、なんて思ったりして、話が分かるフリをしたときも何度もありました。

 

ああ、留学なんて向いてなかったのかなあ・・・なんて思って、日本に帰りたくて仕方ないと思ったりもしました。

 

 

ルームメイトに言われてしまった一言。

この時期に一番ショックだったのは相手が何か英語で言ったのに対して、全然違う返答をしてしまったときに「ねえ、今○○って言ったんだよ・・・。聞いてた?」と失笑混じりにルームメイトに言われてしまったこと。

 

この時ばかりは本当に自分が情けなくて仕方ありませんでした。

ルームメイトに言われたことが腹立たしいとかそんなことよりも、もうほんとに自分が不甲斐なさすぎて。

 

自分の英語力が足りないこと。そのせいで相手に迷惑をかけていること。

自分の周りの環境のせいにはしたくありませんでした。日本にいたって英語が堪能な人はいくらでもいるし、自分の英語力が低いのは努力が足りないからだ、と。

この時ばかりは悔しくて、悔しくて、猛烈に悔しくて。

 

授業もみんな現地の人や留学生も英語が流暢に話せる優秀な生徒ばかりで、一体このレベルに到達するにはどれだけかかるのか。途方にくれました。

 

 

苦しさから抜け出すために・・・。

前期セメスターは特にこうした辛い思いを感じるときがかなり多くありました。だからこそ、不安で不安で先生に聞きまくったり、授業のスライドや予習内容も何回も何回も目を通しました。

 

思えば自分がこの苦しさからどうにか抜け出そう、抜け出そうと必死にもがいた経験が今に繋がっているように思います。「苦しかった経験」そのものを美化しようとは思いません。ただ順風満帆に物事が進んでいる時より、いろいろなことを考えさせるし、どうすればその状態を切り抜けられるか、何が解決策を探すいいきっかけになることは確かです。

 

それに「怒り」「悲しみ」「絶望」といった負の感情は時にものすごいエネルギーになります。この時もあまりいい精神状態とは言えませんでしたが、とにかく無我夢中で勉強していました。

 

この負の感情との闘いは前期セメスターの終盤まで続きました。

 

僕が少しこのとき努力が報われたなあと思ったのは、授業のプレゼンで留学生一番の成績が取れた時。もちろん英語力では他の人に到底及びませんでしたが、プレゼンテーションの順番が最後であったことや、内容が取り組みやすいものであったなどの運にも恵まれて、それまでの授業に費やした努力が成果となって表れた瞬間でした。

 

苦労は勝手でもしろ、は本当。

さらに、後期セメスターではもっといいプレゼンテーションをしたい、もっと授業に貢献したいという気持ちがより一層強くなりました。結果的には現地の学生にプレゼンの成績で負けてしまい悔しい思いをしましたが、前期セメスターであれば現地の学生と張り合うどころか、底辺から抜け出せればいいなと思っていたくらいですから、それは大きな成長ではないかと思います。

 

後期セメスターは前期セメスターより専門の政治学からの授業を増やしたこともあり、かなり勉強の負荷もかかったし、テスト週間はほんとに睡眠時間を削ってまで勉強しなければならない日もありましたが、それだけに達成感はひとしおです。

 

今度は帰国後の就職活動、インターンシップについての不安が高まる一方ですが、自分が苦しいと思える環境に足を踏み込んでこそ、より今の自分より成長できるのではないかと考えています。

 

自分の性格上、「リスクはできるだけ避けて安定路線でいこう」と思ってしまう節が時々あるのですが、今回の留学でむしろ「安定を求めるのは逆にリスク」であると感じました。

 

「自分の今のままのレベルで通用しそう、そんなに辛くなさそう」なリスク回避型の行動は短期的に見れば「安定性」があるのかもしれませんが、それ以上自己成長が望めない可能性も出てくるわけです。

 

「リスクを取ると安定する」とは言い切れませんが、自分にとってふさわしいと思える環境で「辛い、苦しい、危ない」リスクを伴う選択がより自分を成長させてくれるのではないかと思います。

 

今回の留学はそういった意味で一つの「高地トレーニング」だったのかもしれません。

 

今「苦しい、辛い」と思っているすべての人へ。

何だかさも今は「強い自分」になったみたいな書き方で書いてしまいましたが、そんなことは全くありません。

 

今でも就職活動や時期の迫ったインターンシップのことを考えるとお腹が痛くなるし、ほかの人の動向がどうしても気になってしまうメンタル豆腐野郎のままです。笑

 

でもそんな僕みたいな「弱い人間」だからこそ、「苦しい、辛い、逃げ出したい」環境の中でそんな「弱い自分」に向き合って、「弱い自分」と格闘することを通して、自分の弱さを知り、自分がどうしたら自分らしく進めるかわかるのだと思います。

 

もちろん「強い人」と比べれば、その決断のスピードも遅いし、相手にはその頑張りが理解されないことも多いと思います。僕も自分の「行動力」の無さにはげんなりすることもよくあります。

 

しかし、だからこそ、自分が本当に「行動したい!」と思い、その一歩を踏み出したのであれば、その臆病で小さすぎる一歩をした自分を褒めてあげたいな、なんてメンタル激弱マンは思うわけです。

 

もしこれを読んでくれている方の中で僕のようなメンタル激弱マンがいるとするならば、ぜひ一緒にこの「苦しい」「辛い」環境を一緒に楽しみましょう。今がいつか必ず来る成功への第一歩かもしれません。

 

かとけい